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月間タウン情報 トクシマ No.5 2003 JUNE |
バリアフリーをもっと身近に感じよう TAKEUCHI
フルフラットの両開きの入り口、車椅子でも方向転換がしやすいように広く、床面にレールがないハンガードアを採用したトイレ、間隔を広く斜めに配置し移動しやすい技術椅子など、お年寄りや障害者が快適に利用できる。全国的にも珍しいバリアフリー化した理容室である。 |
平成12年度中小商業活性化支援調査 四国地域における「元気のある店」に関する調査研究報告書 |
●元気のポイント
1.バリアフリー社会を見越した設備投資
(1)バリアフリーが当たり前の将を見越した店舗運営
(2)すべてのお客様に対応できるように
→バリアフリー設置店であっても一般の人が普通に来店できる→ハンディのある人にも通常の対応を取っている
(3)ボランティア経験を生かす
→在宅サービスの限界を見極め、店舗でのサービスを行う→サービスを受ける側・介助者への配慮を怠らない
(4)スタッフ教育の実施
→ハンディを持つ人が来店すれば、介護者なしでもスタッフのみで対応できるよう研修を行っている
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■バリアフリーが日常になる将来を見越して・・・
バーバーたけうち成長店は2000年4月にオープンしたばかりであるが、バリアフリーの店舗として新聞に取り上げられるなど、その存在は地元では広く知れ渡っている。開店のための負担は大きかったが、新聞掲載などは大きな宣伝効果はあったと、竹内俊樹さん(成長店の兄弟店で1960年からJR勝瑞駅前で営業してきたバーバーたけうちの代表)は言う。2000年12月には、財団法人とくしまノーマライゼーション促進協会の主催する「第5回徳島やさしいまちづくり賞」(すべての人が安心して気軽に暮らせるようなやさしい配慮がなされた建築物、公園等を表彰する)を受賞し、徳島県知事からの表彰を受けており、行政からも注目され始めている。
バーバーたけうちとバーバーたけうち成長店は経営が分かれており、成長店は俊樹さんのお母さんの竹内溶子さんが代表を務めている。
バーバーたけうちでは、30年も前から地元の福祉施設へボランティアとして月に1回のヘアカットを行ってきた経験を持っている。近隣地域では他所と比べて特別に高齢化が進んでいるわけでもなく、車椅子を利用する客も決して多くはない。しかし、ハンディを持つ人や高齢者が一般の人と同じように生活する風景がいずれやってくる。それが当たり前になるという予測のもとスタッフと十分話し合った結果のバーバーたけうち成長店のオープンであった。
新店である成長店は、車いすでも充分に入れる広いドアやフラット設計がなされている。時にはトイレだけを借りにくる人もおり、この分野での社会的な整備がいかに不十分であるかを物語るが、竹内さんはトイレだけでも大歓迎とい笑う。
以前から理容店によるヘアカットの出張サービスは存在し、どちらにしようか迷った。しかし、一般住宅では照明や設備上の問題や、あるいは散髪後の後片づけが、介助をする人の大きな負担になってしまう。そこで、どのような身体的条件を持った人にでも、出来る限り店に来てもらって、区別のないサービスを提供する方を選んだ。介助する人にもゆとりの時間をもってほしいとの配慮もある。もちろん、店に入ってしまえば介助の研修を受けたスタッフが全て対応する。
この店では健常者・身障者・高齢者の区別はない。全ての客に同じ対応をすることで安心してもらい、介助する人にも気の使うことがないようにしたいという。そう遠くはない未来に、どのような身体的条件を持った人でも普通に何ら支障なく生活できる時代がくることは明らかであり、その将来に対応していくことは、竹内さんらにとっては当たり前の事であった。しかし、従来の店ではスペース上の問題があったため成長店としての展開を決めたのだが、それはそういった時代を迎えるための第1歩なのである。
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